幹細胞培養上清とは?
幹細胞培養上清には、培養の際に幹細胞から放出されたサイトカインやエクソソーム、その他、500種類以上もの成長因子が多く含まれています。
これを利用することで従来の幹細胞移植に劣らない治療効果が得られることが分かってきました。
それどころか細胞移植の危険性を回避できるため、安全な幹細胞治療として今注目を浴びています。
現在、幹細胞培養上清は、医療のあらゆる分野のさまざまな現場で用いられ、成果を上げ始めています。
他の追随を許さない圧倒的なエクソソーム量
臨床医療品としての幹細胞培養上清
幹細胞培養上清は、幹細胞培養液から、幹細胞を取り出しただけでは、臨床医療品として使えません。
培養増殖が完了した幹細胞を全て取り出した後に、幹細胞培養液を遠心分離し、不純物などを取り出し、ろ過、減菌などいくつかの処理工程を行い、ウイルス検査に合格した製品が、医療品として認められます。したがって、幹細胞培養上清には、幹細胞自体は含まれていません。
臨床医療品として使用する幹細胞培養上清は、厚生労働省から認可された培養施設で作られた、安全性に高く、高品質な幹細胞培養上清を用いることが主です。
最近では、外用薬のみならず、品質の高いものは注射薬や点鼻薬、点眼薬としても使用されています。
幹細胞治療と幹細胞培養上清治療の違い
幹細胞治療 | 上清治療 | |
医学的リスク | 癌化/肺塞栓 | なし |
製造時間 | 長い培養期間 | 短い(ストックが可能) |
投与法 | 静脈投与 | 静脈投与 局所注入 経口 経鼻 経皮など |
コスト | 高い | 低い(安価) |
幹細胞治療も幹細胞培養液治療も、細胞を修復したり再生したりする点では同じですが、決定的に違う部分があります。
それは、幹細胞治療は、患者自身の幹細胞を用いる細胞の移植であるのに対し、幹細胞培養上清は、細胞を用いない治療であるという点です。Cell Free(セルフリー)治療などとも呼ばれています。
細胞を用いないため、細胞の癌化や移植の際に起こりうる事故(肺塞栓:血管が詰まる)などの危険性がありません。それらが、培養上清が安全な幹細胞治療と呼ばれている理由です。
せっかく採取した自分の幹細胞が順調に培養できるとは限りません。細胞培養は難しい技術でもあります。そのため高い技術力を誇る施設で長期間かけて培養が行われるため多くのコストがかかり、治療費も高額になっています。
一方上清を用いた治療は、あらかじめストックすることができ、使いたいときにすぐに使えるという便利さがあります。当然コストも安いため、多くの方の手の届く幹細胞治療と言われています。
もちろん、幹細胞と同様に、厳重に管理された培養施設で製造され、ウイルス検査をはじめ、安全性にも問題ない臨床医療品ですので、幹細胞治療と同様に、安心して治療をうけることができます。
隆聖会ラボはクリニック内に併設されたCPC(細胞加工施設)ですから、安全安心な製品ができているのです。
歯髄幹細胞上清とは?
間葉系幹細胞の中でも歯髄幹細胞は、以前からその効果が認められてきました。しかし、脂肪などに比べてほんのわずかしか採取できず、培養期間もほかの部位の幹細胞に比べると倍以上かかるため、希少性が高く実際の臨床現場では使われてきませんでした。
ところが2020年を過ぎたあたりから急激に国内シェアを増やしてきたのです。これは、不死化処理された歯髄幹細胞(乳歯髄を含む)が培養上清を製造する企業の間で売買されるようになったことが原因と言われています。
がん細胞と同様に、ウイルスにより不死化処理された人工的な細胞が不死化細胞です。安全性が疑問視される不死化幹細胞由来の培養上清であることを隠ぺいして販売されている製品が多い中、一部では不死化が良いことのように吹聴する企業の販売員が存在します。
細胞生物学に精通した科学者や医師は、不死化細胞の臨床への応用の危険性をよく知っています。多くの医師から「歯髄幹細胞上清は使いたいが、不死化処理された危険な細胞から作る上清は使いたくない」という意見が多く聞かれるのはもっともなことです。
隆聖会ラボは、その懸念を払しょくするために、歯科口腔外科のクリニック内に開設されました。新鮮な歯髄幹細胞のみを採取した直後にCPCにて数週間にわたる無菌室での培養工程を経て回収した培養上清は、さらに濾過、滅菌され、極めて安全性の高い製品になるのです。
培養上清の作り方
-SAISEIKENより引用-
現在国内で入手可能な幹細胞上清は5種類といわれます。
① 脂肪由来
② 歯髄由来
③ 臍帯血由来
④ 骨髄由来
⑤ 臍帯由来
それぞれを比較した論文は乏しいのですが、歯髄由来幹細胞上清はほかの培養上清に比べて、特に以下の2つの特徴があるといわれています。
1)抗炎症作用
2)神経保護作用
歯髄由来幹細胞上清の特徴
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POINT1
希少性が高い
1本の歯から得られる新鮮な歯髄幹細胞は、微量のため採取が難しい
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POINT2
培養技術が高度
数個の細胞を数億まで増やす技術は難易度が高い
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POINT3
遺伝子に傷がつきにくい
歯という固い組織がカプセルとなり、宇宙放射線などから細胞を守るため、他の幹細胞に比べると遺伝子に傷がつきにくい
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POINT4
安全性の高い細胞
そもそも歯髄細胞は、がん化はもちろんのこと、良性の腫瘍すら無縁の安全性の高い細胞である
期待される効果・効能
- 花粉症
- 抗炎症作用
(アトピー性皮膚炎の改善) - 創傷治癒作用
(傷跡の改善) - 脳梗塞後の回復
- たるみ・しわの改善
- 糖尿病
- 歯周病
- 関節炎